複条植えは一つの畝に2本並べて植える方法である。条間は三〇センチ程度が好ましい。成園になるまでの期間が早いのが特徴であるが、単条植えの二倍のコストと労力が必要である。また成園になってからは単条と収量はかわらない。
単条植え
単条植え一つの畝に真っ直ぐ一列に並べて植える方法である。条間は三〇センチ程度で植え付ける。複条植えよりは成園になるまで長い期間を要すが、コストは複条よりかはかからず、また成園になってからの収量は複条植えと変わらない。
栽植距離
植え付ける際の畝と畝の間は平坦地では一・八メートル、一〇度以上の傾斜地で一・五メートルくらいが適する。株と株の間は三〇〜四五センチとする。単条植えの他、複条植えとする場合もあるが、条間は三〇センチ程度が良い。
定植の時期
苗木の植え付けは三月が最適で、各地での新芽の萌芽開始前が好ましい。また夏期の日よけが十分に実施できれば、梅雨直前の六月植えでも良く、暖地では九月定植も可能である。北限地では秋植えは越冬を不利にするので好ましくない。
チャノコカクモンハマキ
新葉をたてに巻いて加害したり、成葉を2~3枚綴るなどして加害する。
被害を受けたところは褐変する。
チャハマキ幼虫による被害と似たところがある。
クワシロカイガラムシ
茶枝から樹液を吸汁し、茶樹を衰弱させる。
「さやまかおり」や「みなみさやか」は高い抵抗性を持つが、「やぶきた」での増殖率は高い。
発生面積は増加傾向にある。
コミカンアブラムシ
新芽の先端や若葉の葉裏などに群生し、吸汁加害する。
激しい寄生を受けると、葉は内側に丸まり、芽伸びが悪くなり、萎凋、黄化する。
年間を通して発生が見られる。
チャノミドリヒメヨコバイ
新梢の葉や茎を吸汁し、加害する。
萌芽期から開葉初期に加害されると、生育が止まってしまう。
開葉期に加害されると、正常な生育が妨げられ、生育が遅れる。
全国的に発生が見られる。
ツマグロアオカスミカメ
吸汁により加害させる。被害を受けた芽が生育すると、葉に穴があいたり変形したりする。
5月中~下旬、7月前後の被害が多い。
茶園周辺に草地などが隣接している場合、恒常的に被害が発生することがある。
チャノキイロアザミウマ
新芽や若葉が主に加害される。
萌芽期に加害を受けると、生育は著しく遅れ、ひどい場合には落葉することもある。
全国的に発生が見られ、新芽生育期に雨が少ないと発生が増加しやすい。