日本茶園での土壌酸性度は一九九〇年調査でpH三・五〜四・〇のものが最も多く、pH四・五以下であった。酸性の強くなっている理由は、多肥による硝酸体窒素の蓄積や交換性塩基のチャによる九州や、降雨による溶脱などの影響と考えられる。水耕試験から、チャの最適pHは五・〇〜五・五とされているが、全国茶試験機関では最適pHは四・〇〜五・〇とされている。
摘採適期の調整〜薬剤処理〜
早める方法で、ジベレリンを萌芽の一〇〜一四日前に、一〇aあたり二〇gを二〇〇ℓの水に溶かして葉面に散布すると摘採適期を二〜四日ほど早める事ができる。遅らせる方はMCPやMCPPなどを散布すると効果が認められているが、いずれも実用化・普及はみられていない。
摘採適期の調整〜被覆処理〜
摘採面や樹冠部全体を被覆することで、摘採期の早晩を調整することができる。棚式またはトンネル式に光線透過率三〇〜四〇%以上の被覆資材を、萌芽期の一〇〜一五日くらい前から被覆する。開葉二、三枚程度までは、日中は被覆を開いて日射しが受けられるようにし、その後は昼夜とも被覆遮光し続けることで、摘採適期を四、五日遅らせることができる。遮光により、茶品質も向上させることができる(かぶせ風)。
摘採期早晩の人為的調節
早晩品種の特性や、整枝技術の他に、人為的な摘採期早晩の調整法は被覆処理や薬剤処理によっても調整できる。
乗用型摘採機
大型トラクタに摘採機をつけたもの。一人で運転し、摘採できる。広大な平坦値や緩傾斜地などに導入されている(開発は一九七一年)。一〇aあたり約一時間以内で作業できる。一日八時間で一ha弱の作業効果。
レール式摘採機
畝間にレールを敷設して、そのレール上を走行する台車に摘採機をつけて摘際する。作業が行いやすく労力的にも好都合で、平坦地や五度以下の傾斜地に導入されている(開発は一九九〇年代)。一〇aを一時間以内で作業できる。
自走式摘採機
摘採機自体の計上は可搬式とだいたい同様であるが、動力で自走する台車の上に摘採機をつけ、一人が畝の片側に入って運行操作し、他の片側は車輪と支柱で摘採機を与えるもので、作業は一人で出来る。自走式の他に人力走行型もある(開発は一九八〇年)。手摘みの一二〇から一八〇倍。可搬式に比べて一人当たりの能率は約二倍である。
可搬式摘採機
茶株の片側半面づつを、二人でエンジンののった本機を支持して向き合って歩きながら摘む。袋持ちを加えて三人作業すると、いっそう作業しやすい(開発は一九六五年)。手摘みの約六〇〜九〇倍。
小型動力摘採機
エンジンや電力を動力源として、摘採用の刃を動かし、摘採芽は風力で袋内に送られる。一人で作業できる。コードの扱いや手許の振動や袋内の生葉の重さなど、不便な点があった(開発は一九六一年)。手摘みの約三〇倍、はさみ摘みの二〜三倍。
はさみ摘み
袋の付いた茶摘みはさみが明治末期に考案され、一九一五年頃からそれを用いての摘採が普及。摘採前の整枝を必要とする。