親指と人差し指との間に茶芽の下部をはさむようにして、しごき上げて摘み取る。硬化した茎は残して、葉と上方の若い茎のみを摘むが、熟練者は両手を用いて摘み取ることができる。手摘みの中でも摘み方は荒く、一人当たりの摘採量は多くなるが、品質の低下もやむをえない。
かき摘み
手摘み手法の一つ。手指の使い方は折り摘みとほぼ同じであるが、新芽を上方に引っ張るようにして摘採するので、折り摘みよりもやや新芽が硬化してからに適する。
折り摘み
手摘み手法の一つ。親指と人差し指とで、一芽ずつ柔らかい部分をつまんで折り取るもので、基部に損傷を与えない。
一心二葉、一心三葉摘み
手摘み手法の一つ。良芽を選び、芽の上方の葉を二枚、三枚と数えつつ丁寧に摘む方法。
手摘み
こまめに手指を動かして摘む方法。古葉や木茎の混入を避ける事ができ、この点では品質の良い原料が摘み取られるが、摘採能率は低い。
新芽葉の葉色
新芽は開葉一〜二枚のごく未熟な頃は、相対的に黄味が強いが、生育が進むにつれて次第に黄味が減り、鮮やかな黄緑色または緑色となり、この頃が良い。しかし、品種特性や施肥量などの栄養状態、日射しの強弱でも異なるので、環境下での新芽色の傾向を把握する必要がある。
新芽の開葉数
新芽の開葉数が四〜五枚になった頃が、一番茶の摘採適期に当たり、二番茶は一番茶と比べて開葉数は少なめである。新芽は頂芽、側芽、表層のものと内方のも、芽のつく枝の大小などで葉数も異なり、生育は均一でないから、平均的な生育とみなされる新芽の開葉数を目安とする。
出開き度
チャの芽は、同じ生育期に、生育が進むと開葉数の増加が終わり、最先端の芯が小さく止まる。この状態の芽を出開き芽という。一番茶では全芽数の五〇〜八〇%の頃が適期で九〇%にもなると品質の良いお茶は得られない。二番茶、三番茶での出開き度は、一番茶よりも高めである。出開き度は品種特性や樹齢、生育勢などによっても異なるので注意が必要である。
摘採適期
チャは新芽の生育につれて収量は増加し、茶の品質は未熟すぎる時期からある時期までは向上し、さらに新芽の熟度が進むと次第に低下する。品質最良の時期は収量はまだ少なめの段階で、実際の摘採適期と判断されるのは、品質最良の時期の幅ぎりぎりまで生育させ、収量・品質の双方からみて価格の最も上がる時期となる。経営面からみた摘採適期は、経営目標によってどのようにも定められ、上品室の茶を目標とすれば収量は少なくとも早めに摘み、中級・下級煎茶の生産計画の割合により、摘採期を送らせる。
キアシブトコバチ
主な対象害虫は、チャハマキ、チャノコカクモンハマキ、チャドクガなど。
日本全土で発生し、活動時期は4月~11月。
チャハマキに対しては高い寄生率がある。