三番茶まで摘採する温暖地では、二番茶摘採後も一〜二回の整枝を行う。四番茶まで摘採する場所では、三番茶摘採後にもやはり整枝を行う。二番茶までしか摘採しない場合は二番茶摘採後生育を放任すると、秋末までにかなり過剰に繁茂するので、二番茶摘採後二〇日目頃に遅れ芽を除去しておくと良い。この処理が行われなかった場合、十月下旬〜十一月上旬になってから、翌年の一番茶摘採予定面上に一〇〜一五センチの葉層を残して、その上方の過剰な繁茂部分を除去すると、越冬中の被害を軽減・防止することができる。
整枝
- これより下にカテゴリはありません
一番茶後の整枝
一般的に整枝は成園で、最終摘採面から二〜三センチで刈る。一番茶の摘採が終わったら、その摘採面にそって遅れ芽を除去するが、その実施時期は静岡で摘採後一〇〜一四日目に一回、鹿児島では五日後と二〇〜二二日後と二回行われている。
整枝による芽数への影響
深めに整枝すると芽数が増すが、個々の芽は小さめとなり、浅く整枝すると芽数は少なくなる一方で、芽は大きく育って『芽重型』となる。近年はこの芽重型の仕立て傾向が強い。
春整枝
北限地付近や山間地で標高が高いため、冬期に寒害を受ける恐れが大きい場所では越冬後の二〜三月になって春整枝を行う。
秋整枝
秋整枝は、時期が早過ぎると整枝後にまた萌芽して生育してしまい、遅過ぎると翌年の一番茶摘採が遅れる。整枝の目安は日の平均気温が十五〜十八度程度より低めが良く、再萌芽しなくなるのを目安に実施する。例として、静岡では十月上〜中旬、南九州では十月上〜下旬が実施適期とされている。温暖地では春整枝に比べて、秋整枝をしておいたほうが萌芽が揃い、萌芽期や摘採期が早まる。
整枝
一般の機械摘み茶園では各茶期の前に、摘採面の凹凸をならし揃えて、次の茶期の摘採を行う際に、摘み取られる新芽の中に古葉や枝、前茶期の摘採後の遅れ芽の硬化したものなどが混じって、茶の品質低下をさせないよう、浅い刈り払いを『整枝』(株ならし)という。秋に行う整枝を秋整枝、春に行う整枝を春整枝という。