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苗づくりと定植

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定植の方法

植え付けはできれば、降雨後の方が活着が良い。植え付けに際しては畝が曲がらぬように株間も不均一にならないよう、標準をつけた縄を一直線に張って行う。苗木は根を自然の状態に保ち、土中で根がより広く分布するように、丁寧に指を添えて気を付けつつ覆土する。覆土の途中でいったん良く抑えて根と土の粒子の密着度をはかり、再び覆土して株元は周囲より若干低めが良い。覆土後はたっぷりと水を与える。

定植前の圃場準備

土層改良、整地、土壌理化学矯正を完了したら、定植の一ヶ月くらい前までに、定められた畝の位置に深さ五〇〜六〇センチ、畝間三〇〜四〇センチの植え溝を掘り、その底に堆肥を一〇a当たり三〜五トンと乾燥鶏糞〇・五トン程度を入れ、土と良く混ぜ合わせておく。植え溝があまり乾く場合は、適宜覆土する。

苗木の必要量

一〇a当たりの苗木必要量は、標準とされる畝間一・八メートル、株間三〇センチの単条植えでは一八〇〇本、複条とすると二倍の三六〇〇本となる。

千鳥植え

一つの畝に二本定植していく方法であるが、複条と違って千鳥状に植えて行くため複条よりはコストがかからない。条間は三〇センチ程度が良い。単条植えより成園になるのが早い。

複条植え

複条植えは一つの畝に2本並べて植える方法である。条間は三〇センチ程度が好ましい。成園になるまでの期間が早いのが特徴であるが、単条植えの二倍のコストと労力が必要である。また成園になってからは単条と収量はかわらない。

単条植え

単条植え一つの畝に真っ直ぐ一列に並べて植える方法である。条間は三〇センチ程度で植え付ける。複条植えよりは成園になるまで長い期間を要すが、コストは複条よりかはかからず、また成園になってからの収量は複条植えと変わらない。

栽植距離

植え付ける際の畝と畝の間は平坦地では一・八メートル、一〇度以上の傾斜地で一・五メートルくらいが適する。株と株の間は三〇〜四五センチとする。単条植えの他、複条植えとする場合もあるが、条間は三〇センチ程度が良い。

定植の時期

苗木の植え付けは三月が最適で、各地での新芽の萌芽開始前が好ましい。また夏期の日よけが十分に実施できれば、梅雨直前の六月植えでも良く、暖地では九月定植も可能である。北限地では秋植えは越冬を不利にするので好ましくない。

取り木繁殖

親株の一から二年生枝を湾曲して、その一部を地中に押さえ込んで埋めて発根させる。発根後に親株から切断して一本の苗木にするが、挿し木法に比べて単位面積あたりの生産本数は著しく少なく、苗木生育も不均一であり、不利な点が多い。取り木は三月、六月、九月頃に行うと良い。

ペーパーポット挿し木法

無底のペーパーポット(直径六〜八センチ、深さ一五センチ程度)を利用して挿し木し、育苗期間五ヶ月程度で足りる温暖地向きの育苗方法。定植はポットのまま植え穴に入れれば植え痛みも少なく、ポットはやがて腐植するので生育に支障が残らない利便性がある。

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