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苗づくりと定植(2ページ)

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ビニル被覆による挿し木法(無潅水挿し木法)

適期挿しにも不適期挿しにも応用できる方法である。挿し木床に十分散水し定植後も十分潅水し、挿し木が終わったらあらかじめ用意したかまぼこ型のトンネル式骨組みに無色透明のビニルかポリフィルムで全体を完全に密閉し、さらにその外側に直接または間接的によしずか寒冷紗などで被覆を行う(光透過率三〇〜四〇%内外)。特別干ばつ傾向の著しい時を除いては挿し木後潅水しないでも良いので省力効果が大きい。また潅水の為に地温も下げる事がないので、発根も地上部の成長も良い。

苗木の掘り上げ

仕上がった苗木は所定の時期(主に三月)に掘り上げ、根を痛めないように注意して掘り起こす。定植するまでに若干の時間を要す場合はこもやむしろで巻き包む。

挿し木後の管理

挿し木後の生育は挿し木後の日々の潅水と適切な日よけ管理がカギとなる。挿し穂は発根するまでは切り花と同様に下の切り口からのみ給水して生きている為、朝夕十分に散水する。挿し木後役一ヶ月で発根し、散水を若干控える。発根後は二次根、三次根と分化して地上部の葉腋の芽が生育しはじめやがて新梢となる。施肥は六月挿しで八月以降にすると良い。苗床での除草と病害虫防除は入念に行う。十分に発根し生育したら日よけを除去するが、六月挿しでは九月中頃、曇天の日を選んで外しだんだんに陽射しに慣らす。

挿し木の定植

挿し木を行う直前は、挿し木床に十分に潅水する。一年苗を育苗するには穂と穂の間隔は一・五〜二センチ、列と列の間隔は一二〜十五センチとし、葉が重ならないように挿す。二年育苗する場合は穂の間隔は三〜四センチ、列の間隔は十五〜二十センチ程度にする。いずれの場合も挿し穂は三〜四センチの深さに真っすぐ指し二葉の内の上葉は南向きの太陽に向けて並べ挿す。

挿し木の最適期

温暖な地域で六月、遅れる地域では六月下旬から七月中旬頃まで。三月挿しや九〜十月に挿す場合は、気温が生育適温より低い為、ビニル被覆をし、できるだけ保温に努める。

挿し木床の調整

挿し木床は挿し木後成苗になるまで(一年苗で九ヶ月、二年苗で二〇ヶ月)の育苗期間中に用いられるもので、用いる床土は排水・保水ともに良く、通気性も優れ、線虫や病原菌がないことが必要である。それには振るった赤土が適宜である。十分な殺菌処理をすれば、普通の畑土壌でも良い。また、挿し木後には日よけが必要で、床を覆う日よけの骨組みや被覆材(透過率三〇〜四十五%内外)などを用意しておく。床幅は九〇センチくらい床高は一〇センチ程度が良い。

挿し穂の調整

春から生育した芽を摘まず、そのまま成長させた枝を切り挿し穂を採る。挿し穂は一般的に一本の枝から1〜3本取るが、二枚の葉を付けたものを調整する。切り方は下の葉から三から四センチ下で枝を斜め四十五度切り取り上方は上の葉から五ミリくらいで垂直に切る。未熟な部分は使用しないようにする。

苗の繁殖方法

チャの種子は自家不和合性であるため、自然に結実する種子は他家受精によったものとなる。それらは遺伝的に雑ぱくであるから、発芽しても一株として遺伝的に全く同じものはない。茶園の合理的管理には不揃いの株であると支障が生じ、品質にも影響が出るため種子による繁殖は好ましくない。そこで、均一な形質の株をもって造園するには茶品種の一部を用いて苗木をつくる栄養繁殖が好ましく、明治末期より取り木による繁殖法、昭和初期には挿し木技術の実用化され普及されている。

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