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大福茶(おおぶくちゃ)

大福茶(おうぶくちゃ)と言う。ほかにも、「皇服茶(おうぶくちゃ)」、「王服茶(おうぶくちゃ)とも言います。

関西地区では、1月1日に、汲んだ水を沸かして入れたお茶に、梅干しや昆布を入れた、「大福茶」を飲みます。
一年の無病息災を願って飲まれています。

いわれは、951年春、京都に疫病が流行り、空也上人(くうやしょうにん:903~972年)が、お茶に梅干しと昆布を入れて観音様に供えました。
同じものを、時の村上天皇(在位946~967年)も飲み、病人たちにも振る舞い、念仏を唱えたところ、疫病が収まり始めました。

天皇が飲んだことから、皇福茶・王服茶・・・と言われ、庶民に広まり、「大福茶」と呼ばれるようになりました。

空也上人は、京都の庶民に念仏を広めたお坊さんです。

ゆかりの寺、六波羅密寺(ろくはらみつじ:京都市)では、現在でも、正月3日間に、参拝者にふるまわっています。

碁石茶(ごいしちゃ)

高知県で作られる酸味のある、後発酵のお茶。
主に、瀬戸内海地方で飲まれている。

茶葉を蒸したものを樽に漬け込み、黒カビなどで、発酵させた後、四角形に裁断し、天日干しする。
碁石茶は、瀬戸内でも、主に島々では、井戸水が塩分を含み飲みにくいため、碁石茶の酸味を生かすことで飲用となり、特に茶粥に用いられた。今では、高知県大豊町に碁石茶博物館もある。

足助の寒茶(愛知県)あすけのかんちゃ

愛知県足助(あすけ)地方作られている番茶。
秋に整枝を行わずに、そのまま伸ばした茶芽を寒中に鎌などで刈り取り、ゆでた後、二日くらい日干しした後、室内で干したものを飲む。
蒸したあと、室内で広げて乾燥させるものもあるようだ。

玉露(ぎょくろ) part1

覆下茶園(被覆、とも言う)で、「よしず」などで、日光を遮った畑から作られたお茶。
光が少なく、光合成の働きが少ないため、葉の中のクロロフィル(葉緑素)が増え、緑色が濃くなるのが特徴です。
また、葉だけでなく、根からも、養分や有効成分を吸収するため、非常に栄養も高くなります。
特に、旨み成分の「アミノ酸」の含有量が高く、湯温を下げ、60°C位で淹れると、まろやかな味わいになります。

よしずの下で育ち、手摘みで摘まれる、玉露は、手間暇かけて、育てられる為、価格も、露地物のお茶に比べると高価になっています。産地も、限られ、主には、贈答に使われることが多いです。

夏に、水出しや氷出しなどで、頂くと、大変美味しく頂けます。

蒸し製玉緑茶(ぐり茶)

煎茶の製法の内、葉の形状を整える精揉という工程を省略した、勾玉状の形状をしたお茶。
グリ茶とも呼ばれる。さっぱりとした味が特徴。産地は伊豆など。

釜炒り茶(釜炒り製玉緑茶)

生葉を蒸して加工する一般的な緑茶に対し、釜炒り玉緑茶は中国式製法であるため、生葉の酸化酵素の働きを抑えるために釜の熱を利用します。 独特の勾玉(まがたま)のような形をしていて、渋味が少なく、香ばしい釜の釜香とすっきりとした味が特徴。釜炒り玉緑茶は古くは、中国朝鮮半島より伝わった伝統的な中国式製法で、生葉の酸化酵素の働きを抑えるために釜の熱を利用します。佐賀・長崎を主産地とする嬉野製と、宮崎・熊本の山間部で生産される青柳製があります。品質については、嬉野製が形は丸型で玉状で、色沢は黄緑色、すい色は金色濃厚。 青柳製は形は少し伸び型で、色沢は青緑色、すい色は少し青みを帯びています。

かぶせ茶

一番茶の約1週間前から茶園を黒いビニール布(寒冷紗)覆い日光を遮り(覆下茶園)、葉を栽培した生の葉を煎茶と同様の工程で製造したお茶。
玉露ほどではないが、直射日光を遮ることで渋味が少なく旨みの豊かな味わいになります。玉露と煎茶の中間的な存在です。
寒冷紗の遮光度は50~95%ほどで違いがあります。かぶせ茶は手摘みの玉露に対し、挟みや乗用式茶刈機などが使われ、玉露の製造が手間暇かかるのに対し、かなり簡略化されています。

玉露(ぎょくろ) part2

一番茶の手摘みの約2週間~20日前から茶園をよしずなどで覆い日光を遮り(覆下茶園)、葉を栽培した生の葉を煎茶と同様の工程で製造したお茶。
直射日光を遮ることで渋味が少なく旨みの豊かな味わいになります。
茶葉の形状は針のように細く、鮮やかな若緑色です。
玉露の仕上加工においては、形と色に重きをおき形を細目に揃えることと、鮮やかな濃緑色を保つため茶葉を極力すらないように細心の注意を払っています。また、火入れ(乾燥)は色沢を保つために、煎茶よりも低い温度の熱風で時間を長く行っています。

玄米茶

水に浸した米を蒸して炒り、これに番茶や煎茶などをほぼ同量の割合で混ぜたお茶が「玄米茶」となります。
炒り玄米の香ばしさや、煎茶や番茶のさっぱりとした味わいが楽しめます。
玄米が混ざっていることで煎茶や番茶の使用量が少なくなるためカフェインが少なく、お子様やご年配の方にもお勧めできるお茶です。
現在では、抹茶をまぶした、抹茶入玄米茶なども人気です。

粉茶~こなちゃ~(出物)

お茶を仕上げる時に分別されたお茶で、茶こしでサッと熱湯を通していれます。
お寿司屋さんで「あがり」といって使われています。
また、ティーパックなどにも加工されます。
粉状ですので茶葉の成分が短時間で溶け出し、比較的味の濃いお茶を淹れることができます。
ただ、茶葉の成分が非常に短い時間で抽出されるため、一煎目でお茶が出きってしまうので、煎茶のように何煎も使用することはできません。
また、粉茶といっても、あくまでも煎茶の製造工程で出た茶葉である事に変わりはなく、茶葉が完全に溶けてしまうことはありません。
※粉末茶(溶けてしまう微粉末)とは違うので、御注意下さい。
※抹茶(主に茶道に使用される)とも違います。

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