生葉を蒸して加工する一般的な緑茶に対し、釜炒り玉緑茶は中国式製法であるため、生葉の酸化酵素の働きを抑えるために釜の熱を利用します。 独特の勾玉(まがたま)のような形をしていて、渋味が少なく、香ばしい釜の釜香とすっきりとした味が特徴。釜炒り玉緑茶は古くは、中国朝鮮半島より伝わった伝統的な中国式製法で、生葉の酸化酵素の働きを抑えるために釜の熱を利用します。佐賀・長崎を主産地とする嬉野製と、宮崎・熊本の山間部で生産される青柳製があります。品質については、嬉野製が形は丸型で玉状で、色沢は黄緑色、すい色は金色濃厚。 青柳製は形は少し伸び型で、色沢は青緑色、すい色は少し青みを帯びています。
かぶせ茶
一番茶の約1週間前から茶園を黒いビニール布(寒冷紗)覆い日光を遮り(覆下茶園)、葉を栽培した生の葉を煎茶と同様の工程で製造したお茶。
玉露ほどではないが、直射日光を遮ることで渋味が少なく旨みの豊かな味わいになります。玉露と煎茶の中間的な存在です。
寒冷紗の遮光度は50~95%ほどで違いがあります。かぶせ茶は手摘みの玉露に対し、挟みや乗用式茶刈機などが使われ、玉露の製造が手間暇かかるのに対し、かなり簡略化されています。
玉露(ぎょくろ) part2
一番茶の手摘みの約2週間~20日前から茶園をよしずなどで覆い日光を遮り(覆下茶園)、葉を栽培した生の葉を煎茶と同様の工程で製造したお茶。
直射日光を遮ることで渋味が少なく旨みの豊かな味わいになります。
茶葉の形状は針のように細く、鮮やかな若緑色です。
玉露の仕上加工においては、形と色に重きをおき形を細目に揃えることと、鮮やかな濃緑色を保つため茶葉を極力すらないように細心の注意を払っています。また、火入れ(乾燥)は色沢を保つために、煎茶よりも低い温度の熱風で時間を長く行っています。
玄米茶
水に浸した米を蒸して炒り、これに番茶や煎茶などをほぼ同量の割合で混ぜたお茶が「玄米茶」となります。
炒り玄米の香ばしさや、煎茶や番茶のさっぱりとした味わいが楽しめます。
玄米が混ざっていることで煎茶や番茶の使用量が少なくなるためカフェインが少なく、お子様やご年配の方にもお勧めできるお茶です。
現在では、抹茶をまぶした、抹茶入玄米茶なども人気です。
焙じ茶
ほうじ茶は、漢字で「焙茶」と表記されることもあります。
煎茶、番茶、茎茶などをキツネ色になるまで強火で炒って、香ばしさを引き出したお茶のことです。茎茶をほうじたもので有名なのが「加賀棒(石川県)」です。
この他には、煎茶などの仕上げ加工工程で選別した比較的形の大きな茎や葉を混ぜてほうじたものも含まれます。
ほうじ機でほうじ香が発生するまで約200度で加熱し、すぐに冷却します。ほうじることによってカフェインが昇華(固体から気体に直接変化する現象)して苦みが抑えられるため、お子様やご年配の方にもやさしく飲みやすいお茶です。
香ばしさとすっきりとした軽い味が楽しめます。
手揉み茶
手揉み茶の形状は芸術的であり、その技術は無形文化財として尊重されている。現在の機械製茶は、手揉も製法の機械的翻訳とも言える。手揉みは、今日では、保存会のメンバーが引き継いでおり、日常的に行われているものではなく、天皇家への献上茶としてや、イベントなどで披露し、その場で販売されたりする使われ方をされることが多い。手揉み茶の作り方は、流派により多少の違いがある。美味しくいれるのには、技術がいる。
出物(でもの)
煎茶が「本茶」と呼ばれるのに対し「出もの」と呼ばれるお茶は、「茎茶」「粉茶」「芽茶」などをさします。出物の中に、「毛葉(けば)」といものもありますが、こういったものは、粉砕してティーバッグなどの材料となるため、単体で消費者の方が目にする機会は少ないです。
芽茶(出物)
お茶を仕上げる時に分別されたお茶で、芽の柔らかいところを選別したお茶。細かいが非常に味も濃く美味しい。近年では、深蒸し製法が増えているため、芽茶を取らないことが多く、大変希少価値が高い。
粉茶~こなちゃ~(出物)
お茶を仕上げる時に分別されたお茶で、茶こしでサッと熱湯を通していれます。
お寿司屋さんで「あがり」といって使われています。
また、ティーパックなどにも加工されます。
粉状ですので茶葉の成分が短時間で溶け出し、比較的味の濃いお茶を淹れることができます。
ただ、茶葉の成分が非常に短い時間で抽出されるため、一煎目でお茶が出きってしまうので、煎茶のように何煎も使用することはできません。
また、粉茶といっても、あくまでも煎茶の製造工程で出た茶葉である事に変わりはなく、茶葉が完全に溶けてしまうことはありません。
※粉末茶(溶けてしまう微粉末)とは違うので、御注意下さい。
※抹茶(主に茶道に使用される)とも違います。
茎茶(出物)
お茶を仕上げる時に分別されたお茶で、棒茶とも言われます。お茶にもよりますが、大体5%位の割合です。玉露や高級な煎茶の茶葉から作られたくき茶は、『白折(しらおれ)』や『雁ヶ音(かりがね)』と呼ばれ、その名称は、渡り鳥の雁が海上で体を休めるために止まる姿が浮かぶ小枝に茎の姿形が似ていることに由来すると言われています。
昨今は、茎茶のことを一般的にかりがねと表記しているところも増えてます。茎茶は通常のお茶と違い、一度注ぐと二煎目から香味が薄れていきます。